労災の申請期限はいつ?給付金別の申請期限と申請手続について
作成日
2023/12/18
更新日
2023/12/18
- ※アディーレ法律事務所では様々な法律相談を承っておりますが具体的な事情によってはご相談を承れない場合もございます。予め、ご了承ください。
目次
働いていることが原因で、病気にかかったり事故にあったりしてしまった場合には、労災保険の各種給付を受けることができます。
損害そのものの大きさや、労働者に不注意があったかどうかなどの事情によっても変わってきますが、一般的に、給付金はそう小さくない金額になることが多く、労災保険の申請手続を不備のないようにきちんと行っておくことは大変重要です。
なかでも注意すべきなのは、労災保険による給付を受けるため、いつまでに申請しなければならないという期限が定められていることです。申請手続をする前に期限が過ぎてしまうと、労働者は給付を受けることができなくなってしまいます。
しかも、ややこしいことに、どのような給付を申請するかによって、それぞれに異なる申請期限が設定されているのです。
労災保険に基づく給付を受けるための申請期限はどのように定められているのか、申請手続はどのようにして行っていくのかなどについて、解説していきます。
損害そのものの大きさや、労働者に不注意があったかどうかなどの事情によっても変わってきますが、一般的に、給付金はそう小さくない金額になることが多く、労災保険の申請手続を不備のないようにきちんと行っておくことは大変重要です。
なかでも注意すべきなのは、労災保険による給付を受けるため、いつまでに申請しなければならないという期限が定められていることです。申請手続をする前に期限が過ぎてしまうと、労働者は給付を受けることができなくなってしまいます。
しかも、ややこしいことに、どのような給付を申請するかによって、それぞれに異なる申請期限が設定されているのです。
労災保険に基づく給付を受けるための申請期限はどのように定められているのか、申請手続はどのようにして行っていくのかなどについて、解説していきます。
労災の申請には期限がある
労災保険とは、労働者が業務や通勤が原因で負傷したり、病気になったり、さらには死亡したりしてしまったときに、治療費などの必要な保険給付を行う制度です。
もっとも、労災保険の各種給付を受けるには、給付の種類ごとに定められている申請期限内に請求することが必要です。
ここでは、労災保険の申請期限について解説していきます。
もっとも、労災保険の各種給付を受けるには、給付の種類ごとに定められている申請期限内に請求することが必要です。
ここでは、労災保険の申請期限について解説していきます。
(1)労災保険制度とは
労災保険制度は、労働者が業務に起因して、あるいは通勤により事故にあったり病気にかかったりしてしまった場合に、労働者に対する補償の観点から必要な保険給付を行うとともに、あわせて労働者の社会復帰の促進等の事業を行う制度です。
その費用は、原則として、事業主が負担している保険料によって賄われています。
労災保険制度は、原則として、一人でも労働者を使用していれば、業種の規模の如何を問わず、すべての事業に適用されます。
また、労災保険における「労働者」とは、「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」のことをいいます。「労働者」であれば、アルバイトやパートタイマー等の雇用形態とは関係なく、すべての者が保険給付の対象となります。
その費用は、原則として、事業主が負担している保険料によって賄われています。
労災保険制度は、原則として、一人でも労働者を使用していれば、業種の規模の如何を問わず、すべての事業に適用されます。
また、労災保険における「労働者」とは、「職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者」のことをいいます。「労働者」であれば、アルバイトやパートタイマー等の雇用形態とは関係なく、すべての者が保険給付の対象となります。
参考:労災補償|厚生労働省
(2)給付金の種類について
労災保険の給付金には、以下のようにいろいろな種類のものがありますので、まずその種類や内容について押さえておきましょう。
労災保険給付の種類
- 療養(補償)給付:仕事(業務そのもの又は通勤)が原因となった傷病の療養を受けるときの給付
- 休業(補償)給付:仕事(業務そのもの又は通勤)が原因となった傷病の療養のために労働することができず、賃金を受けられないときの給付
- 遺族(補償)年金:労働者が死亡したときの給付
- 遺族(補償)一時金:労働者の死亡当時、遺族(補償)年金を受ける遺族がいない場合の給付
- 葬祭料(葬祭給付):労働者が死亡し、葬祭を行ったときの給付
- 未支給の保険給付・特別支給金:療養(補償)給付や、休業(補償)給付を受ける労働者が、給付を受ける前に死亡した場合の給付
- 傷病(補償)年金:仕事(業務そのもの又は通勤)が原因となった傷病の療養開始後、1年6ヶ月を経過しても傷病が治らず、障害の程度が傷病等級に該当するときの給付
- 障害(補償)給付:仕事(業務そのもの又は通勤)が原因となった傷病が治った(症状固定した)が、障害等級に該当する身体障害が残ったときの給付
- 介護(補償)給付:障害(補償)年金または傷病(補償)年金の一定の障害を有しており、現在介護を受けているときの給付
- 二次健康診断等給付金:一次健康診断の結果、血圧や血糖検査など該当の検査項目すべてに「異常の所見」があると診断された場合の給付
(3)労災の申請期限一覧
労災保険の給付を受けるためには、必要書類等を労働基準監督署に提出する必要があります。
一方で、労災保険の給付請求権には時効があり、起算日より一定の期間を経過すると、給付を請求できる権利が消滅してしまいます。
労災保険においては、給付金の種類によって時効の起算日と時効期間が異なりますので、まずは自分が請求しようとしている給付金の種類はどれなのかという点について確認しておく必要があります。
そのうえで、給付金の時効起算日および時効期間について、厚生労働省ウェブサイトにある一覧表を確認しながら、権利が時効によって消滅することがないように、しっかりと確認しておきましょう。
一方で、労災保険の給付請求権には時効があり、起算日より一定の期間を経過すると、給付を請求できる権利が消滅してしまいます。
労災保険においては、給付金の種類によって時効の起算日と時効期間が異なりますので、まずは自分が請求しようとしている給付金の種類はどれなのかという点について確認しておく必要があります。
そのうえで、給付金の時効起算日および時効期間について、厚生労働省ウェブサイトにある一覧表を確認しながら、権利が時効によって消滅することがないように、しっかりと確認しておきましょう。
給付金 | 時効 | |||
療養(補償)給付 | 療養の費用を支出した日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年 | |||
休業(補償)給付 | 賃金を受けない日ごとに請求権が発生し、その翌日から2年 | |||
遺族(補償)年金 | 被災労働者が亡くなった日の翌日から5年 | |||
遺族(補償)一時金 | 被災労働者が亡くなった日の翌日から5年 | |||
葬祭料(葬祭給付) | 被災労働者が亡くなった日の翌日から2年 | |||
未支給の保険給付・特別支給金 | それぞれの保険給付と同じ | |||
傷病(補償)年金 | 監督署長の職権により移行されるため請求時効はない。 | |||
障害(補償)給付 | 傷病が治癒した日の翌日から5年 | |||
介護(補償)給付 | 介護を受けた月の翌月の1日から2年 | |||
二次健康診断等給付金 | 一次健康診断の受信日から3ヶ月以内 |
給付の種類 | 業務災害 通勤災害 の別 |
請求書の名称 | 様式番号 | 提出先 |
療養(補償)給付 | 業務災害 | 療養補償給付たる療養の給付請求書 | 5号 | 病院や薬局等を経て 所轄労働基準監督署長 |
通勤災害 | 療養給付たる療養の給付請求書 | 16号の3 | ||
業務災害 | 療養補償給付たる療養の費用請求書 | 7号 | 所轄労働基準監督署 | |
通勤災害 | 療養給付たる療養の費用請求書 | 16号の5 | ||
休業(補償)給付 | 業務災害 | 休業補償給付支給請求書 | 8号 | |
通勤災害 | 休業給付支給請求書 | 16号の6 | ||
障害(補償)給付 | 業務災害 | 障害補償給付支給請求書 | 10号 | |
通勤災害 | 障害給付支給請求書 | 16号の7 | ||
遺族(補償)給付 | 業務災害 | 遺族補償年金支給請求書 | 12号 | |
通勤災害 | 遺族年金支給請求書 | 16号の8 | ||
業務災害 | 遺族補償一時金支給請求書 | 15号 | ||
通勤災害 | 遺族一時金支給請求書 | 16号の9 | ||
葬祭料(葬祭給付) | 業務災害 | 葬祭料請求書 | 16号 | |
通勤災害 | 葬祭給付請求書 | 16号の10 | ||
介護(補償)給付 | 介護補償給付・介護給付支給請求書 | 16号の2の2 |
(3)労働基準監督署が労災事故の調査・確認を実施
労働基準監督署に書類を提出すると、労働基準監督署は、被災した本人や会社などに対し、労災保険給付金の発生原因となった事故や病気の事実などについての調査(聞き取り調査など)や確認を行います。
この調査・確認は、労災として認定されるための重要な手続ですので、可能な限り協力をすることが必要となります。
この調査・確認は、労災として認定されるための重要な手続ですので、可能な限り協力をすることが必要となります。
(4)労災として認定するか否かを決定
調査の結果、労働基準監督署長によって、労災として認めるか否かの最終判断がなされることになります。
労働基準監督署が請求を受け付けてから、最終的に給付が決定するまでにはだいたい1ヶ月ほど、場合によっては1ヶ月以上かかることもあります。
労働基準監督署が請求を受け付けてから、最終的に給付が決定するまでにはだいたい1ヶ月ほど、場合によっては1ヶ月以上かかることもあります。
【まとめ】労災保険の給付申請や、会社への損害賠償請求は、時効に注意しよう
労災保険の給付申請や会社への損害賠償請求には時効期間の規定があるため、時効期間が満了する前に、給付申請もしくは損害賠償請求を行う必要があります。
損害賠償請求をする場合は、会社との交渉なども行わなくてはならず、法律知識も必要となってきます。
「会社が労災申請に協力してくれない」「労災による損害賠償請求を検討している」「そもそも労災にあたるか分からない」などの悩みを抱えている方は、労働基準監督署や、労働問題に詳しい弁護士などにご相談ください。
損害賠償請求をする場合は、会社との交渉なども行わなくてはならず、法律知識も必要となってきます。
「会社が労災申請に協力してくれない」「労災による損害賠償請求を検討している」「そもそも労災にあたるか分からない」などの悩みを抱えている方は、労働基準監督署や、労働問題に詳しい弁護士などにご相談ください。
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この記事の監修弁護士
中央大学卒、アディーレ入所後は残業代未払いの案件をメインに担当し、2018年より労働部門の統括者。「労働問題でお悩みの方々に有益な解決方法を提案し実現すること」こそアディーレ労働部門の存在意義であるとの信念のもと、日々ご依頼者様のため奮闘している。東京弁護士会所属。
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